変動相場制と固定相場制
為替相場が決まる方式には、「変動相場制」と「固定相場制」というふたつの方式があります。
「変動相場制」とは外貨の需要や供給の関係から為替相場が変動する方式で、日本円やアメリカドルに代表される多くの通貨が採用している方法です。
対し、「固定相場制」とは政府で為替相場を固定しているという方式です。
国際通貨基金や国際復興開発銀行が設立された1944年には、ドルと金の交換を可能とするために金1オンスにつき35ドルとして固定相場制をとっていました。
これには資本移動の促進や自由貿易にも目的があったのですが、その後に起こったドルの大量流失をきっかけとして、あらゆる先進各国は固定相場制ではなく変動相場制による為替相場の方式をとるようになったのです。
変動相場制と固定相場制に関する話として、日本の歴史にも面白い話が残っています。
江戸時代にまで遡りますが、当時の通貨は江戸と大坂で異なるものが使用されていました。
江戸では小判、大阪では丁銀、またそれらより小額のものとしては銭貨という具合に。
・・・少し判りにくいかもしれませんね。
それぞれ、金貨、銀貨、銅貨です。
これらのバランスをとるために御定相場が定められた当時は、金一両に対する銀や銭の価格は決められてはいたものの、細かいところでは市場で価格を決定づける変動相場制となっていました。
しかし、田沼意次の時代に計数銀貨が発行されると、それらが丁銀以上に流通するようになり、変動相場制の様相から一変して定められたとおりの固定相場制となります。
おかげで変動相場制に助けられていた丁銀が流通しなくなり、銀目取引は手形や藩札にとって代わり、通貨代わりの役目を米が果たしていたことも手伝って、当時の通貨制度はひじょうに複雑だったとか。

